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◆管理栄養士に聞いてみた◆ビタミンE ~脳と血管の若さに~

アラフォー主婦 イラストアラフォー主婦:今回、管理栄養士さんに解説していただく成分は「ビタミンE」です。

アラフォー主婦:よろしくお願いいたします。ビタミンEもDHAやEPAをサポートしてくれる成分なんですね。

管理栄養士が解説します!栄養士 イラスト
管理栄養士:はい!ビタミンEは成分を酸化から守る代表的な抗酸化物質なんです。

アラフォー主婦 イラスト2アラフォー主婦:そうだったんですね。ビタミンって聞くと肌にいいってイメージが強くて、ほかの効果についてはあまりよく知りませんでした。

管理栄養士:もちろん美容にも効果的ですよ!その部分も含めて説明していきますね。

アラフォー主婦:よろしくお願いします。

ビタミンEって何?

ナッツビタミンEは、レバー・青魚・ナッツ類・豆・油に多く含まれている脂溶性ビタミンです。「若返りのビタミン」と通称で呼ばれるほど、健康維持と美容をサポートしてくれる頼もしい栄養素です。

効能の多いビタミンEは抗酸化作用(※1)があることです。DHAとEPAの脂肪酸は活性酸素(※2)と結びついて酸化しやすい性質があります。そのため、抗酸化力の強いビタミンEと一緒に摂取することで、ビタミンEがDHAとEPAの成分の酸化を防いで、それらの成分を十分に体内に摂りいれやすくなるようサポートします。

抗酸化物質にはビタミンCや酵素などさまざまな種類がありますが、ビタミンEのもつ優れたパワーは主に血液・血管・細胞膜などで脂肪の酸化に直接作用する点です。そのため、生活習慣病(※3)の引き金となる血管障害の治療など、医療分野をはじめ、美容の分野で利用されています。

(※1)抗酸化作用とは、カラダが活性酸素により酸化されるのを防ぐ働きです。活性酸素は老化や生活習慣病を早める原因とされています。

(※2)活性酸素とは酸素を吸い込む過程で発生するものです。活性酸素はカラダに侵入する病原菌やウィルスへの免疫を高めてくれる役割をしています。しかし、活性酸素が過剰に発生するとDHAやEPAなどの脂肪酸と化学反応を繰り返すことで過酸化脂質を生成してしまいます。これが細胞を酸化させたり健康に害を及ぼすようになります。例えば老化を早めたり、肌の衰えの要因になります。また過酸化脂質が血中に増えると血液循環が滞り動脈硬化を招く恐れがあります。動脈硬化が進行すると血栓をつくり血液の流れが悪化して脳卒中や心筋梗塞などの疾患の原因となる可能性もあります。現代の病気の多くは、この活性酸素との関連性が指摘されています。

(※3)生活習慣病は不規則な生活スタイルが原因で生じる疾患です。運動不足、食生活の乱れ、ストレス、喫煙などが主な原因になっています。最初の症状は高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満など自覚症状が少ない病気ですが、これらがきっかけとなり、動脈硬化を生じて、心筋梗塞・脳梗塞など重症の病気をまねいてしまいます。

~ビタミンEの背景~

ラットビタミンEの別名「トコフェロール」はギリシャ語で、tocos(子供を産む)、phero(力を与える)、ol(水酸基をもつ化合物の総称)に由来しています。

ラットの生殖に必須の因子として発見され、その後の研究で、抗酸化作用に焦点がおかれました。さらに、細胞や血管での働きが明らかになり、血管障害の治療や化粧品、サプリメントに利用されています。

【ビタミンEを多く含む食品】

ビタミンEは主に次のような食品に含まれています。


食品名 ビタミンE量(食品100g中/mg)
あんこう肝 13.8mg
うなぎ 4.9mg
たらこ 7.1mg
はまち 4.1mg
アーモンド 29.4mg
松の実 12.3mg
かぼちゃ 4.7mg
赤ピーマン 4.3mg
アボガド 3.3mg
マヨネーズ(全卵型) 14.7mg
ひまわり油 38.7mg



~ビタミンEの主な働き~

ビタミンEには次のような働きがあります。
・抗酸化作用
・血流改善
・コレステロールを下げる

抗酸化作用

DHAやEPAは酸化しやすい成分ですが、ビタミンEが成分の酸化を防ぐ働きをしてくれます。

抗酸化物質は過剰に発生した活性酸素を抑制するよう働きかけます。抗酸化物質には様々ありますが、それぞれ抑制する活性酸素が異なり、効力を発揮する場も違います。主に、血液・血管・細胞膜での脂肪酸の酸化を守るのがビタミンEの役割です。ビタミンEが他の代表的な抗酸化物質と異なる点は、脂肪の酸化に直接作用し、カラダ全体に効力が発揮できることです。

ビタミンEは構造に水酸基(‐OH)を含んでいる脂溶性ビタミンです。この水酸基(‐OH)は酸化されやすいため、ビタミンE自らが、あえて酸化して他の物質の酸化を守ります。これによりDHAやEPAなどの酸化されやすい脂肪酸の劣化を防いでくれます。

血流改善

血流ビタミンEはEPAの脂肪酸の酸化を防ぐだけでなく、血管を拡張して、血行を改善する作用もあります。EPAとビタミンEは共同して働き、血管の健康を保ちます。血管の健康はカラダ全体の健康と深く関わり、美しく歳をとるうえで、大切な項目です。

EPAは血液の流れの改善に役立つ成分ですが、活性酸素に酸化されやすい弱点があります。

活性酸素により血管壁が傷つくと、出血を止めようと血小板が集まってきます。血小板は傷口をふさぐ大切な役割がありますが、血管の老化と伴って固まりやすくなり、血管内部に血栓ができてきます。血栓は血流をさまたげて、酸素や栄養素の運搬を邪魔してしまい、カラダのすみずみに十分に栄養が届かなくなります。血液循環が悪化することで、脳梗塞・心筋梗塞などの生活習慣病をまねくようになってしまいます。

ビタミンEが十分摂れていると酸化を防ぐことで、結果、生活習慣病の予防につながります。

またビタミンEには毛細血管の血行を良くする働きもあるので血流が悪いことで起こる冷え性の改善や肩こりの改善、肌荒れの改善、美白、美肌などに効果的です。

コレステロールを下げる

コレステロールコレステロールは活性酸素によって、酸化して過酸化脂質へと変化してしまいます。ビタミンEは過酸化脂質を分解することにより悪玉コレステロールを下げる効果があります。また同時に善玉コレステロールを上げる効果もあります。




結論

DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は生活習慣病の予防に効果を発揮しますが、活性酸素と結びついて、酸化しやすい性質があります。抗酸化力をもつビタミンEは、これらの成分の劣化を抑制して、成分を十分に吸収しやすくなるよう働きかけます。

ビタミンE自体にも血管を拡張して、血行を改善する作用があります。食品成分の機能はそれぞれの成分が共同して働いています。酸化しやすいDHA・EPAの脂肪酸は、抗酸化力の高い成分と組み合わせて摂り、効能を高めていくことがおすすめです。


監修者 管理栄養士

アラフォー主婦 イラスト米国にて高等教育終了後帰国、食物栄養学部を卒業。
大学研究室にて秘書、翻訳の経験を経て、現在管理栄養士として栄養関連記事の執筆、栄養指導、英日・日英翻訳を行う。
ニックネーム: afcom


<参考資料>
日本食品標準成分表2010
「ビタミン総合辞典」朝倉書店 日本ビタミン学会 
「からだに役立つ脂溶性ビタミンとそのファミリー」 雪印乳業株式会社健康生活研究所 拓植治人、小林正
「ビタミンE」 保育社 河野友美
「ビタミンE健康法」 講談社 三石巌

アラフォー主婦 イラスト3
アラフォー主婦:ビタミンEはEPAのような血液にも効果的な成分だったんですね。

アラフォー主婦:しかも美肌はもちろん、コレステロール値の改善にも効果があるっていうのはびっくりでした。

管理栄養士 イラスト管理栄養士:細かな効果まではあまり知られていませんが、効能も多くとても良い成分なんですよ。ビタミンEの入ったハンドクリームなどでは手荒れを直すだけでなく血流を良くすることで冷え性まで改善するというデータがあるそうです。

アラフォー主婦:酸化防止だけじゃ物足りない!というワガママさんに大満足の成分でした!!
とても勉強になりました。ありがとうございました。