DHAとEPAのこと、全部教えちゃいます!~成分や働き、どう違うの?~
キチンと知っておきたい、魚の”元気成分″DHA・EPA
皆さん〝体に良い油″って聞いたことありますよね! 油というと健康やダイエットの大敵として、「油は太る」とか「血液をドロドロにする」など、とかく悪者扱いされがちですが、実は健康の大敵どころか、体を元気にしてくれる油があるのです! その代表的なものが、青魚に多く含まれるDHA・EPAという不飽和脂肪酸です。ここではDHA・EPAについて、押さえておきたい基礎知識をご紹介したいと思います。
DHAって何?
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、オメガ3系の不飽和脂肪酸の一つで、マグロ、サンマ、サバ、イワシなどの脂肪(魚脂)に多く含まれる必須脂肪酸です。DHAの大きな特徴は、「血液脳関門」や「血液網膜関門」というきびしい関所を通りぬけ、直接脳や目に入っていける唯一の脂肪酸だということ。EPAはこの関門を通過することができません。そのため体内でDHAは、脳や目の網膜、神経系統に多く分布し、記憶力を良くしたり精神を安定させるなど、学習や精神活動に関わる働きをしてくれるのです。また目の健康や動体視力アップにも有効です。
魚・さかな・サカナを食べると~、頭・あたま・アタマが良くなる~
どこからか、そんなメロディーが聴こえてきそうですね!
目次
知るほど嬉しい!DHAが持つ4つの健康効果
①脳の働きを活発にする
人の思考や感覚は、脳の神経細胞「ニューロン」の働きによってコントロールされています。大脳・小脳合せて1150億個におよぶニューロンが、緻密で精巧な情報伝達ネットワークを形成し、シナプスと呼ばれる連結部を介して、神経伝達物質をやり取りして情報の受発信を行っています。そしてこの情報ネットワークの働きを活発にする、代表的なブレインフーズがDHAです。脳内にDHAの量がふえると、情報の伝達がスムーズになり、より多くの神経伝達物質が行き来できるようになって、「記憶力が高まる」「頭の回転が速くなる」といった効果が期待できるわけです。
②脳の発育・発達に欠かせないDHA
DHAは胎児や乳幼児期の脳の発育や発達にも有効であることが、多くの研究で明らかになっています。逆にこの時期にDHAが不足すると、発育不全にもなりかねません。
脳細胞の成長は18~20歳頃に停止してしまいますが、脳内の情報ネットワークはその後の学習や経験を積むことで広がっていきますので、脳を鍛えるのに遅すぎることはありません。DHAは〝生涯学習″をサポートする重要な栄養素。ご家族の脳を元気にして、仕事や勉強を頑張ってもらうためにも、積極的に摂りたいですね!
③精神を安定させる
わけもなく不安や恐怖感におそわれる、夜眠れない、言動がネガティブになる、逆に他人に敵意を持ったり攻撃的になったり・・・。ストレスが多い現代社会、心のバランスが崩れることでおこる、心と体の不調に悩まされる人がふえているのだそうです。
DHAにはそんな症状をやわらげ、精神を安定させる働きが期待できるという報告があります。そのメカニズムはまだ解明されていませんが、脳内にある幸せホルモン「セロトニン」や睡眠ホルモン「メラトニン」にDHAが働きかけ、ストレスによる緊張状態を落ちつかせるのではないかという説が有力です。
④アレルギー症状をやわらげる
アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などアレルギー症状は本当に辛いですよね! DHAには、シクロオキシゲナーゼというアレルギーを引き起こす酵素を阻害する働きが認められており、辛い諸症状をやわらげてくれることが研究で明らかになっています。
EPAって何?
EPA(エイコサペンタエン酸)は、DHA同様魚脂に豊富に含まれる不飽和脂肪酸です。健康維持になくてはならない栄養成分ですが、体内でつくられることはほとんどなく、食品やサプリメントで補うしかありません。EPAの特徴は、何といっても固まりにくく体に溜まりにくいこと。それどころか、血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らしたり、血栓ができにくくするという嬉しい働きをしてくれるとってもユニークな油です。
魚脂は透きとおって、氷点下でも固まらずサラサラしています。マグロやサンマがエサの少ない外洋を元気に回遊できるのも、この素晴らしいEPAやDHAのおかげなんですね!
とにかく凄い! EPAが持つ4つの健康作用
①血管の若さを保つ
EPAはドロドロ血液のもとになる余分なコレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにしてくれることが、多くの実験データで明らかになっています。また血液成分中最も大きい赤血球は、細い毛細血管を通りぬけるために自在に伸縮する性質を持っているのですが、偏った食生活や加齢によりこのしなやかさが失われると、毛細血管が詰まりやすくなってしまいます。EPAには何と、赤血球の柔軟性を保つ働きも認められているのです。血液がサラサラと流れることで血管細胞そのものにも酸素や栄養が行きわたり、リフレッシュされて、血管の若さを保つ効果も期待できるというわけです。
人の血管は、全長10万キロにおよぶ運河のようなもの。その95%が毛細血管で、体のすみずみまで酸素や栄養素を運ぶ役割を果たしています。そんな血管を大切にケアし若さを保つためにも、EPAを積極的に摂りたいものですね!
②血栓をできにくくする
血液の粘度が高いドロドロ血液は、血管を流れる際に血管を傷つけてしまいます。すると傷ついた部分に血小板が集まって血栓がつくられ、その先に血液が流れにくくなります。そのまま剥がれない血栓も血行を妨げてやっかいですが、剥がれ落ちた血栓の固まりも大問題。血液にのって全身に運ばれ、心臓や脳などの血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になります。EPAには血小板の過剰な活動を抑え、血栓をできにくくする働きが認められています。EPAをしっかり摂って、渋滞や詰まりがない若々しい血管を手に入れましょう。
③痩せ体質にシフトする
皆さんは痩せ体質をつくる「GLP-1」というホルモンをご存知でしょうか? 「たけしの健康エンターテイメント! みんなの家庭の医学」で紹介されていたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。GLP-1は、脳の満腹中枢を刺激して食欲をコントロールするという夢のようなホルモン。さらに、血糖値の急上昇を抑えて体脂肪の蓄積を防ぐなどの働きがあり、肥満大国アメリカでは糖尿病患者への治療薬としても使われているそうです。
番組によると、EPAは小腸で細胞に働きかけGLP-1をふやす働きがあるのだとか。そのEPAを手軽に摂る方法として紹介されたのがサバの水煮缶です。これなら値段もお手頃ですし、いろんな料理に応用できそうですね!
④抗炎症作用
EPAには体内で生じるさまざまな炎症や、過剰な免疫反応を抑える働きも確認されています。そのため運動後の筋肉痛や、関節リウマチなど免疫疾患の炎症をやわらげるのにも有効。アメリカやカナダでは、手術後の回復を助けるためEPA摂取が勧められています。
食物連鎖から生れる大自然の贈りもの
海の中で繰り広げられる食物連鎖のドラマ、理科で習いましたね。DHA・EPAは、この「栄養分をつくるもの←それを食べるもの」という連鎖の過程で生まれます。もとになるのは、光合成によって自ら栄養分をつくりだす植物性プランクトンで、α‐リノレン酸が豊富に含まれています。これを動物性プランクトンが食べ、体内でDHAやEPAを生み出します。さらにこれを小魚、中型の魚、大型の魚が次々と食べていく過程でDHAやEPAが蓄積され濃度を増していきます。EPA・DHAは、生命の営みが生み出す大自然からの贈りものなんですね!
DHAとEPAはどう違う?
体や心にどこかしら不調を抱える現代人にとって、DHA・EPAは積極的に摂りたい栄養素の一つで、その働きには多くの共通点があります。現時点での研究成果から分かっている違いをあげるなら、血液や血管の健康に高い効果が期待できるのはEPA、脳や神経系統の健康に有効なのはDHAと言えます。ざっくりと「EPAは血液を健康に、DHAは頭を健康に」と覚えておくと良いでしょう。特に脳が発達する乳幼児から成長期にある子供たちには、DHAをしっかり摂れるよう気をつけてあげたいものです。
DHA・EPA研究の歴史
EPAの健康効果に世界が初めて注目したのは、1963~67年の4年間にグリーンランドのイヌイットの人々を対象に行われた疫学調査がきっかけでした。イヌイットは脂質を海獣や魚から摂り、野菜をほとんど食べないにもかかわらず、心筋梗塞や狭心症による死亡率が極端に低く、牛や豚、羊など肉食中心のデンマーク人のおよそ7分の1だったのです。調査の結果、イヌイットの血液中に含まれるEPAが、ヨーロッパ人に比べてきわめて多いことが明らかになりました。
一方、日本にDHAの存在が伝えられたのは1989年のこと。DHA研究の権威であるイギリスのマイケル・クロフォード博士が著書「原動力」の中で、「魚に含まれるDHAには脳の発達を促進する効果がある」と発表。
「日本人の子供が欧米人に比べて頭が良いのは、魚を多く食べるからではないか」と指摘したことから、DHAが一大ブームになりました。
昔日本人が魚を多く食べていた時代には、1日にDHAとEPAを合せて2000mgを超える量を摂っていました。そして、生活習慣病やアレルギー、脳の病であるアルツハイマー型認知症なども今ほどは多くありませんでした。近年になってふえてきたこれら現代病の克服に、DHA・EPAのさらなる研究成果が待たれるところです。
DHA・EPAの必要量と理想的な摂り方
厚生労働省ではDHAとEPAを合わせた目標摂取量を、1日1000mg以上と定めています。ところが、魚を比較的よく食べる50歳~69歳の摂取量を見ても目標の2/3ほどしか摂れていません。全世代では1日平均400mgが不足していると言われ、この分をしっかりと補う必要があります。
魚料理で摂る
必要量をしっかりクリアするためにも、1日1回以上魚料理を食べるようしたいものです。DHA・EPAは、サバ、サンマ、イワシなどの青魚や、マグロの脂身などに豊富に含まれています。ポイントは、鮮度がよく脂が乗った旬の魚を選ぶこと。刺し身やホイル焼きなど脂が失われにくい料理で、丸ごと食べるのがオススメです。
サプリメントで摂る
そうは言っても、必要量を魚だけで摂るのはなかなかタイヘンです。魚は焼くと脂が流れ落ちますし、煮たり揚げたりすると肝心な栄養分が煮汁や揚げ油に溶け出してしまうため、充分に摂っているつもりでも、足りないということになりかねません。また魚は匂いが苦手だし調理が面倒だから、どうしても肉料理が多くなるという人も多いことでしょう。
そんな方には、手軽に摂れるサプリメントがオススメです。サプリメントなら飲む目安量がひと目で分かり、必要量を確実に補えるので便利。持ち運びがラクなので忙しい人でもテマをかけずに健康管理ができます。
サプリメントを飲む時間
DHA・EPAのサプリメントは、特にいつ飲めばよいか決まりはありませんが、胃腸が積極的に活動している食後に飲むのが良いでしょう。長く続けていくためには、1日1回夕食後などと決めておけば飲み忘れがなくていいですね。
DHA・EPAサプリメントのサポート成分
DHA・EPAのサプリメントには、さまざまなサポート成分を配合し、健康作用の強化を目ざした商品が多く販売されています。目的にあった商品選びに、参考にしてみてください。
*注意:効果や働きについては一般的に認められているもので、特定のサプリメントを指すものではありません。
セサミン
ゴマの種子に含まれる強力な抗酸化物質で、ゴマひと粒の中にわずか1%程度しか含まれていません。体を錆びつかせる活性酸素の発生を抑え、血管や肌の若さを保つ頼もしい成分です。抗酸化作用がある物質は、水溶性のものが多いため血液に溶けこんで肝臓まで届きにくいのですが、セサミンは肝臓にしっかり届くのも大きな特徴です。
ナットウキナーゼ
納豆のネバネバ部分に含まれる酵素で、他の食品には含まれない機能性栄養素です。血栓の原因になるたんぱく質の一種「フィブリン」に働きかけ、血栓を溶かす働きが認められており、DAH・EPAと併せてダブルのサラサラ効果が期待できます。
アスタキサンチン
エビやカニ、サケなどに含まれる赤い色素成分で、抗酸化力の強さはβ-カロテンの約10倍、ビタミンEの約1000倍と言われます。体内に入ると酸化しやすいDHA・EPAの成分を酸化から守り、その吸収をしっかりとサポート。また脳と目の「関所」を通過できる数少ない抗酸化物質で、DHAと協力して脳と目の健康を守ります。
イチョウ葉
ルティンをはじめとする、30種類ものフラボノイド(ポリフェノールの一種)を含み、強い抗酸化力によって、毛細血管を強化し保護する働きが認められています。また主成分のギンコライトはイチョウ葉だけに含まれる成分で、血行を良くし、血栓をできにくくする働きがあります。
クロセチン
クチナシの果実やサフランに含まれる黄色の色素成分で、体の錆びつきを防ぐ抗酸化力に優れています。クロセチンを摂るとおよそ1時間半で目に届き、目の血流を良くする、目の炎症を抑える、眼精疲労の回復を助けるなどの働きが明らかになっています。また疲れ目からくる肩こりの改善にも役立ちます。
その症状、DHA・EPA不足が原因かも知れません!
DHA・EPAサプリメントはこんな方にオススメします
こんな人にオススメです! | DHA | EPA |
食生活の偏りや運動不足が気になる人 |
![]() |
![]() |
油っこい食事が好きで、メタボ体型が気になる人 |
![]() |
![]() |
魚嫌いの人、また魚が苦手な家族を持つお母さん |
![]() |
![]() |
定期検診の数値が気になる人 |
![]() |
![]() |
めぐりを良くして、体の中から若々しく美しくなりたい人 |
![]() |
![]() |
仕事や人間関係で、ストレスを感じている人 |
![]() |
|
生涯現役で、好きな旅行や趣味の生活などを楽しみたい人 |
![]() |
![]() |
最近固有名詞が出てこない、物忘れがひどくなったという人 |
![]() |
|
学生さん、受験生など勉強を頑張りたい人 |
![]() |
|
妊娠中や授乳中、乳幼児や育ちざかりの子供を持つお母さん |
![]() |
|
花粉症やアトピーなどアレルギー体質でお困りの人、アレルギー体質の子供を持つお母さん |
![]() |
|
最近ふさぎがち、やる気が出ない、夜眠れないという人 |
![]() |
|
眼の疲れや視力の衰えが気になる人 |
![]() |
|
筋肉の痛みや、関節リウマチなどでお困りの人 |
![]() |
ハツラツ美人の秘密は1日1000mgのDHA・EPAにあった!
いかがですか?DHA・EPAの素晴らしさを理解していただけたのではないでしょうか。
めぐりの良い体とスッキリ冴えた頭は、毎日をハッピーに暮らすための基本です。
毎日の摂取でハツラツ美人を目指しましょう。もちろんご自身だけでなく、ご家族にも!